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Tips エンジニア採用のヒント

公開: 2026/6/5

フリーランス新法対応エンジニア採用ガイド|業務委託7つの義務

2024年11月施行フリーランス新法の7義務を採用担当視点で解説。契約書・運用の実践チェックリスト付き

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フリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)は2024年11月1日に施行された。エンジニアを業務委託で活用する採用担当者・人事は、この法律が課す7つの義務を今すぐ把握しなければ、無意識のうちに法令違反を犯すリスクがある。

TL;DR(この記事の要約)

  • フリーランス新法は2024年11月1日施行。エンジニアの業務委託を発注する企業が直接対象になる

  • 7つの義務のうち「書面明示義務」「報酬支払義務(60日以内)」「禁止行為」は契約期間によらず全案件に適用される

  • 6か月以上の長期契約では「育児・介護への配慮義務」「中途解除の30日前予告」「ハラスメント対策」が加わる

  • 採用側の実務ポイントは「契約書の全面見直し」「スカウト文面への明示項目追加」「社内の業務委託管理台帳の整備」の3点

  • 違反すると公正取引委員会・厚生労働省の勧告・公表・命令リスクがある

このページでわかること

本記事では、エンジニア採用の現場担当者向けに以下を解説する。

  1. フリーランス新法の適用対象(どのエンジニア契約が該当するか)

  2. 発注者(企業)に課される7つの義務と具体的な対応内容

  3. 契約書・スカウト・業務委託管理の実務チェックリスト

  4. よくある違反パターンと防止策

  5. 2026年以降の追加規制動向

採用支援の実務で「法的リスクが心配だが何から手をつければいいかわからない」という声を多く聞いてきた。このガイドで必要な対応を整理してほしい。エンジニア採用全般の法務知識についてはエンジニア採用の法務知識ガイドも合わせて参照すると理解が深まる。

1. フリーランス新法とは何か

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法律制定の背景

フリーランス・エコノミーの拡大に伴い、フリーランスが発注企業から不当な取引条件を一方的に押しつけられる事例が増加していた。経済産業省・厚生労働省・公正取引委員会が2021年から検討を開始し、2023年4月に「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」が成立。2024年11月1日から施行された。

内閣官房の推計では、日本のフリーランス人口は約462万人(2020年時点)。ITエンジニアはその中でも最大の職種群を占めており、この法律の影響は採用担当者にとって直接的だ。

「フリーランス」の定義

法律上の「フリーランス(特定受託事業者)」とは、従業員を使用しない個人事業主または一人法人をいう。具体的には以下が該当する。

  1. 個人でシステム開発・保守の業務委託を受けるエンジニア

  2. 一人会社(株式会社・合同会社)を設立し、従業員ゼロで受注するエンジニア

  3. 副業として週2〜3日のコーディング業務を個人で引き受ける会社員エンジニア(受け入れ企業側が自社の副業ポリシー設計を整えることも重要だ)

従業員を1人でも雇用している法人は対象外。この点は採用担当者がよく誤解するポイントなので注意が必要だ。正社員・業務委託・SESの使い分けに悩む場合はエンジニア契約形態比較ガイドも参照してほしい。

発注者(業務委託先)の定義

本法では、フリーランスへ業務を委託する企業側を「特定業務委託事業者」と呼ぶ。ただし、発注企業側に課される義務のうち一部(書面明示・報酬支払・禁止行為)は、企業規模によらず全ての発注者に適用される。

一方で、育児・介護配慮、中途解除の予告、ハラスメント対策の3つは、「従業員を使用する発注者」、つまりほぼすべての企業に適用される。スタートアップや中小企業も例外ではない。

2. 発注者に課される7つの義務

本法の核心は、発注者(企業)が果たすべき7つの義務だ。採用担当者は「業務委託契約を締結したとき」から義務が発生すると理解しておくこと。

義務1: 取引条件の書面明示(全案件)

業務委託をしたとき、直ちに以下の事項を書面またはメール・チャットツール等の電磁的方法で明示しなければならない。口頭のみでの伝達は違反となる。

明示が必要な8項目:

  1. 委託する業務の内容

  2. 報酬の額

  3. 支払期日

  4. 業務委託事業者(発注者自身)の氏名・名称・住所

  5. 業務の開始日・終了日(または期間)

  6. 給付の内容・納期(成果物がある場合)

  7. 検収完了期日

  8. 発注者が提供する物品・情報の内容(ある場合)

実務ポイント: スカウト媒体からエンジニアに連絡して初期合意した段階でも、業務内容と報酬額が決まっていれば明示義務が発生する。「まず業務委託でお願いして、後で契約書を送る」という慣行は違法になり得る。

義務2: 報酬の支払期日と60日以内支払(全案件)

発注者は、成果物の受領または業務完了日から起算して60日以内に報酬を支払わなければならない。支払期日はこの60日以内に設定する必要がある。

なお、建設業・映像制作等の特定業種は別途規定がある。

実務ポイント: 月末締め翌月末払い(30日サイクル)は問題ない。しかし、締め月を翌月に設定して翌々月末払い(最大61日)にするような慣行は違法となる。経理部門と連携して支払いサイトを確認すること。

義務3: 禁止行為(全案件)

発注者は、フリーランスに対して以下の行為が禁止される。

  1. 受領拒否(正当な理由なく成果物の受け取りを拒む)

  2. 報酬の減額(一方的な値引き要求)

  3. 返品(正当な理由のない返品)

  4. 買いたたき(市場価格より著しく低い報酬設定の強要)

  5. 購買強制(特定の物品・サービスの購入強制)

  6. 不当な経済上の利益の提供要請(協賛金・無償作業の強要)

  7. 不当な給付の変更・やり直し要請

採用支援の現場で最も多く見るのが、プロジェクト終盤での一方的な工数削減要求と、「ちょっと追加でやってもらえますか」という無償の追加作業だ。フリーランス新法のもとでは、これらは明確な違反行為となった。

義務4: 育児・介護への配慮(6か月以上の案件)

6か月以上の業務委託をする場合、フリーランスから妊娠・出産・育児・介護についての申し出があれば、必要な配慮をしなければならない。具体的な配慮内容は申し出の内容に応じて判断するが、以下が例として示されている。

  • 業務量の調整

  • スケジュールの変更

  • 業務内容の変更

長期的なエンジニア業務委託では、このリスクが生じることを契約前提に組み込んでおく必要がある。また、長期的な関係性に発展した業務委託エンジニアを正社員転換する場合は、副業・業務委託からの正社員転換(トライアル採用)のガイドが参考になる。

義務5: 中途解除・不更新の30日前予告(6か月以上の案件)

6か月以上の業務委託を中途解除する場合、または契約更新をしない場合には、原則として30日前までに予告しなければならない。

予告なしに突然「来月から発注を止めます」と通告することは法令違反となる。エンジニアが次の案件を準備する時間的余裕を与えることが義務付けられた形だ。

実務ポイント: 長期プロジェクトで稼働しているエンジニアへの発注継続・終了は、プロジェクト管理側と人事・調達が連携して早めに意思決定する必要がある。

義務6: ハラスメント対策の体制整備(従業員を使用する発注者全般)

フリーランスの就業環境が、ハラスメントによって害されることがないよう、発注者は以下の体制整備が義務付けられた。

  1. ハラスメント防止方針の明確化と周知・啓発

  2. 相談窓口の設置(フリーランスからの相談を受け付ける)

  3. ハラスメント発生後の迅速な対応体制の整備

正社員向けのハラスメント相談窓口をそのまま流用するのではなく、業務委託エンジニアもアクセスできる窓口を整備することが求められる。

義務7: 募集情報の適切な表示(フリーランスを募集する場合)

フリーランスを募集する際、虚偽・誇大な表示は禁止される。2024年12月の公正取引委員会Q&Aの改正により、募集情報には以下の明示が必要とされた。

  • 発注企業の氏名・名称

  • 住所(所在地)

  • 連絡先(電話番号等)

これらを欠く募集情報は「誤解を生じさせる表示」として違反になる。スカウト媒体や求人サイトで業務委託エンジニアを募集する際は、会社情報を明示しているか確認が必要だ。

また、報酬額の記載についても「実態とかけ離れた高額表示」「成果報酬であることを隠した時給表示」は違反に該当するリスクがある。募集時点で提示できる報酬レンジを正直に記載することが、フリーランス新法対応と優秀エンジニアの信頼獲得を同時に実現する最善策だ。

7義務の適用区分まとめ

義務

全案件

6か月以上

従業員使用の発注者

書面明示

60日以内の報酬支払

禁止行為の遵守

育児・介護への配慮

中途解除の30日予告

ハラスメント対策

募集情報の適切な表示

この表は採用担当者が「自社の案件にどの義務が適用されるか」を素早く判断するために使える。エンジニアとの初回契約を検討する前に確認することを勧める。

3. エンジニア採用実務への影響とチェックリスト

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契約書の全面見直し

フリーランス新法施行後、従来の業務委託契約書では義務を満たせない場合が多い。以下の観点で契約書を見直すこと。

契約書見直しチェックリスト(10項目):

  1. 委託業務の内容が具体的に記載されているか

  2. 報酬額が明示されているか(単価×想定時間、または固定額)

  3. 支払期日が60日以内に設定されているか

  4. 検収完了期日が明示されているか

  5. 受領拒否・報酬減額・返品等の禁止行為が行われない旨の条項があるか

  6. 6か月以上の場合、中途解除の30日前予告条項があるか

  7. 育児・介護への配慮義務について言及があるか

  8. ハラスメント防止方針の適用対象に業務委託者が含まれているか

  9. 業務の開始日・終了日または期間が明記されているか

  10. 発注企業の正式名称・住所・連絡先が契約書に記載されているか

スカウト・募集文面の見直し

スカウト媒体や採用ページで業務委託エンジニアを募集する際、以下が含まれているか確認する。

スカウト文面の必須要素:

  1. 会社の正式名称・住所・連絡先

  2. 委託業務の概要(業種・職種・技術スタック)

  3. 報酬の目安額または算定方法

  4. 業務開始予定時期

  5. 想定稼働時間または期間

採用支援を担当してきた経験から言えば、「詳細はご面談で」という記載はフリーランス新法の趣旨に反する可能性がある。募集段階から透明性を高める姿勢が求められる。

業務委託管理台帳の整備

法令違反を防ぐには、社内で業務委託エンジニアを一元管理する台帳を整備することが有効だ。

台帳に記録すべき情報:

  1. エンジニアの氏名・連絡先・一人法人か個人事業主かの区別

  2. 契約開始日・終了日(または期間)

  3. 委託業務の内容

  4. 報酬額・支払サイト

  5. 6か月以上案件の場合:育児・介護申し出記録、中途解除予告の有無

  6. ハラスメント相談窓口への案内済みフラグ

台帳は月次で担当者がレビューし、「6か月を超えそうな案件」「支払期日が60日を超えている案件」を早期に検知できる体制を作ることが望ましい。

4. 違反リスクと制裁の実態

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制裁の種類とプロセス

フリーランス新法に違反した場合、主に公正取引委員会(取引の適正化に関する義務)または厚生労働省(就業環境整備に関する義務)が以下の対応をとる。

  1. 報告徴収・立入調査: まず違反の疑いがある発注者に対して報告を求め、必要に応じて立入調査を行う

  2. 助言・指導: 軽微な違反は、まず改善を求める助言・指導が行われる

  3. 勧告: 指導に従わない場合、または重大な違反の場合は勧告が発せられる

  4. 公表: 勧告に従わない場合は企業名・違反内容が公表される。いわゆる「名指し」対応

  5. 命令: 公表後も改善しない場合は命令が出される

  6. 刑事罰: 命令に違反した場合は100万円以下の罰金が科される

制裁の最大のリスクは「公表」だ。採用広報に力を入れている企業ほど、公表による信頼毀損のダメージは大きい。

よくある違反パターン

採用支援の現場で実際によく見かけるパターンを挙げる。いずれも施行前は慣行として行われていたが、フリーランス新法のもとでは違反となる可能性がある。

パターン1: 業務委託の口頭合意後に契約書を後送

スカウトで連絡し、メールで業務内容と報酬を簡単に話し合い、「追って契約書を送ります」という進め方。業務委託の口頭合意成立時点で書面明示義務が発生するため、合意と同時または事前に書面・メール等での明示が必要。

パターン2: 月末にスコープ追加を依頼して報酬は据え置き

プロジェクト終盤での追加機能開発を「今回は報酬増額なしでお願いします」と依頼するパターン。禁止行為(不当な給付の変更・やり直し要請、買いたたき)に該当する可能性がある。

パターン3: プロジェクト都合で突然の委託打ち切り

予算カットや事業ピボットで、稼働中のフリーランスエンジニアへの発注を翌月から停止するパターン。6か月以上の案件では30日前予告が必要。

パターン4: 社内の正社員と同じ指揮命令で業務をさせる

業務委託なのに社内の上司が直接指示を出し、毎日の勤務報告を求めるパターン。これは偽装請負(職業安定法・労働者派遣法違反)の問題と重なるが、フリーランス新法上の「不当な経済上の利益の提供要請」にも関連する。

5. フリーランス採用の法的リスク管理フレームワーク

リスクの3段階分類

エンジニア採用における業務委託のリスクを3段階で整理すると、以下のように分類できる。

レベル1: 即時対応が必要(法令違反リスク高)

  1. 書面明示なしでの業務委託締結

  2. 60日超の報酬支払いサイト

  3. 一方的な報酬減額・追加作業の無償要求

レベル2: 体制整備が必要(義務未対応)

  1. フリーランス向けのハラスメント相談窓口が未整備

  2. 6か月以上案件での育児・介護配慮ルールが明文化されていない

  3. 中途解除予告の社内ルールが存在しない

レベル3: 予防的対応(リスク軽減)

  1. 業務委託管理台帳の整備・月次レビュー

  2. 採用担当・エンジニアリングマネージャーへの法律研修

  3. 弁護士による契約書の定期的なレビュー

予算別の対応優先順位

フリーランス新法への対応に割ける工数とコストは企業規模によって異なる。以下に予算別の優先対応を示す。

月5万円以内(契約書テンプレートの見直しのみ):

  1. 書面明示義務に対応した契約書テンプレートの更新(専門家への相談含む)

  2. スカウト文面・募集ページへの必須情報追加

  3. 経理部門と連携した支払いサイトの確認・修正

月5〜20万円(管理体制の整備まで):

  1. 上記に加え、業務委託管理台帳をスプレッドシートまたは管理ツールで整備

  2. 採用担当・PMへの法令研修の実施(半日程度)

  3. 社内のハラスメント相談窓口への業務委託者の追加対応

月20万円以上(法務サポート付き体制):

  1. 上記に加え、法律事務所・リーガルテックツールとの顧問契約

  2. 取引条件明示のシステム化(契約書自動生成ツール導入)

  3. フリーランス向け独立したハラスメント窓口の設置

6. 2026年以降の規制動向

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取適法(改正下請法)との関係

2026年1月1日、「下請法」が「特定受託事業者等に係る取引の適正化等に関する法律(取適法)」として施行された。フリーランス新法と下請法は適用対象が一部重なるため、両法の要件を同時に満たす対応が求められている。

取適法のポイント:

  1. 資本金1,000万円超〜3億円以下の企業が資本金1,000万円以下のフリーランスに発注する場合が主な対象

  2. 下請法の禁止行為(買いたたき・減額等)がフリーランスにも適用される形となった

  3. 2024年12月の公正取引委員会ガイドライン改正により、適用範囲が明確化された

公正取引委員会の執行強化

公正取引委員会は2025年に「フリーランス法特設サイト」を開設し、申告受付を積極化している。2025年度以降は実態調査と勧告事例の公表を増やす方針が示されている。スタートアップといえども、意図せぬ違反に対して「知らなかった」では済まない環境になってきた。

諸外国の動向が示す方向性

EUでは2025年からプラットフォームワーク指令が加盟国に施行され、デジタルプラットフォームを介した就業者の労働者性推定が強化されている。日本でも同様の方向性が議論されており、業務委託エンジニアの「実態として労働者性が高い」ケースへの対応強化が予想される。

採用支援を続けてきた立場からは、「業務委託か雇用か」の線引きをより慎重に行う必要がある局面になったと感じている。業務委託の実態が雇用に近い場合は、正社員・パートタイム・有期雇用等への切り替えを検討することも一つの選択肢だ。

7. エンジニア業務委託を上手に活用するために

フリーランス新法は「業務委託活用の規制」ではなく、「適正な業務委託の促進」を目的とした法律だ。法令を正しく守ったうえで業務委託を活用することで、むしろ優秀なエンジニアからの信頼獲得につながる。業務委託エンジニアの探し方・報酬設計・マネジメントの実践については副業・業務委託エンジニアの活用完全ガイドも参照してほしい。

採用の実務現場では、フリーランス新法への対応を丁寧に説明できる企業に、優秀なエンジニアが集まる傾向が出てきた。「契約書がしっかりしている」「支払いが確実」「ハラスメントリスクを考えてくれている」という評判は、スカウト返信率の向上に直結する。

厚生労働省の「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」(令和6年3月)によると、フリーランスとして働くITエンジニアのうち、約43%が「発注企業の契約姿勢・誠実さ」を継続案件の意思決定において最も重視すると回答している。法令対応は採用コストの削減にもつながる投資と捉えるべきだ。

業務委託エンジニアを長期的なパートナーにする3つの視点

  1. 透明性の確保: 業務内容・報酬・期間を明示し、「後から変更しない」を約束にする。フリーランス新法の書面明示義務はその実践を強制する装置でもある。

  2. 公正な報酬設計: IT人材サービス企業dodaの2025年版調査では、フリーランスエンジニアの月額報酬中央値は60〜80万円の範囲にある。市場相場を無視した「友人価格」や「応援価格」での発注は買いたたきリスクになる。エンジニアの報酬水準についてはエンジニア採用で勝つための報酬設計ガイドも参照されたい。

  3. 継続的なキャリア配慮: 6か月以上稼働してもらうエンジニアには、業務の中で技術的な成長機会を提供することで、長期的なパートナーシップが構築できる。これはエンジニアコミュニティにおける評判にも直結する。

FAQ(よくある質問)

Q1. 副業エンジニアと業務委託エンジニアは同じ扱いですか?

フリーランス新法上、副業(本業が別にある会社員)であっても、個人として業務委託を受ける形であれば「特定受託事業者(フリーランス)」に該当します。副業エンジニアに業務を委託する場合も、書面明示義務や支払期日の義務が適用されます。

Q2. 業務委託から正社員への転換を打診した場合、法律上の問題はありますか?

転換の打診自体は問題ありません。ただし、転換を「強要」したり、転換に応じないことを理由に報酬を減額・契約を打ち切ったりすることは禁止行為に該当する可能性があります。転換の打診は本人の意思を尊重した形で行うことが必要です。

Q3. 3か月以内の短期案件でも書面明示は必要ですか?

はい、契約期間の長短に関わらず、業務委託をした時点で直ちに書面明示義務が発生します。1か月の試験的な業務委託であっても、委託内容・報酬・支払期日等を書面またはメールで明示する必要があります。

Q4. スカウト媒体のメッセージだけで業務委託の合意をしてしまいました。遡って対応できますか?

既存の業務委託について、追加で書面明示に対応する書類(補足確認書等)を送付することで対応可能です。すでに進行中の案件については、次回の契約更新時に契約書を正式に見直すことも有効です。速やかな対応を行うことで、将来のリスクを軽減できます。

Q5. フリーランス新法に対応した契約書のひな形はありますか?

公正取引委員会・厚生労働省が公開している「フリーランス法特設サイト」(jftc.go.jp/freelancelaw_2025/)にガイダンスが公開されています。弁護士や社労士に依頼してカスタマイズするのがおすすめです。

Q6. 6か月以上の案件の「育児・介護への配慮義務」で、実際に何をすればいいですか?

義務は「申し出があった場合に必要な配慮をする」というものです。事前にルール化しておく必要はありませんが、申し出があった際にどう対応するかを担当者間で共有しておくとよいです。業務量の一時的な削減、スケジュールの変更、業務内容の一部変更などが代表的な対応例です。

Q7. 競合他社もフリーランス新法に対応できていないと思いますが、対応しなくてもいいですか?

競合他社の対応状況に関わらず、法令違反のリスクは個社ごとに発生します。公正取引委員会は2025年以降、積極的に調査・勧告を行う方針を明示しています。また、法令対応の状況はエンジニアのコミュニティで情報共有されるため、未対応はそのまま採用上の不利に直結します。

Q8. 業務委託エンジニアから報酬の支払いが遅いと言われました。どう対応すればいいですか?

まず支払いサイト(締め日〜支払日)を確認し、60日を超えているようなら即座に修正が必要です。支払い遅延は禁止行為(報酬の減額に類する行為)として問題になる可能性があります。エンジニアに正直に謝罪し、次回以降の支払い日を書面で確約することをおすすめします。

まとめ・次のアクション

フリーランス新法は2024年11月1日に施行され、エンジニアを業務委託で活用する採用担当者には直接関係する法律となった。

今すぐ取り組むべき3つのアクション:

  1. 既存の業務委託契約書を見直す: 書面明示義務の8項目が含まれているか、支払いサイトが60日以内かをまず確認する

  2. スカウト・募集文面に必須情報を追加する: 会社の正式名称・住所・連絡先、委託業務の概要・報酬目安を明記する

  3. 業務委託管理台帳を作成する: 稼働中・検討中の案件を一覧化し、6か月超の案件を特定して追加義務を確認する

techcellarでは、エンジニア採用の法令対応も含む採用支援を提供している。業務委託エンジニアの採用戦略・契約設計・スカウト運用に関してご相談があれば、ぜひお気軽にご連絡いただきたい


参考情報:

  • 公正取引委員会「フリーランス法特設サイト」: https://www.jftc.go.jp/freelancelaw_2025/

  • 経済産業省・インセンティブ報酬ガイダンス(2025年2月)

  • 厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」報告書(令和6年3月)

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岩佐 直樹techcellar 運営者

現役エンジニアでありながら、スタートアップのエンジニア採用支援を行う。採用コンサル営業として採用を売る側の経験と、エンジニアとして採用される側の経験を併せ持つ。13以上のダイレクトスカウトサービスの運用経験をもとに、AI×採用の実践ノウハウを発信。

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