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Tips エンジニア採用のヒント

公開: 2026/6/4

エンジニア内定者フォロー完全ガイド|入社前辞退ゼロを目指す設計

内定承諾後から入社日までの内定者フォロー施策を体系化。接点設計・心理ケア・競合対策を実践解説

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エンジニア内定者フォロー完全ガイド|入社前辞退ゼロを目指す設計

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内定承諾をもらった後に辞退された経験はないだろうか。エンジニアの中途採用では、内定承諾後の辞退率が他職種と比べて高く、「承諾をもらったら終わり」という認識でいると痛い目を見る。内定者フォローとは、内定承諾から入社日までの期間を通じて、候補者の入社意欲を維持・強化し、入社前辞退をゼロに近づける一連の施策体系のことだ。

本記事では、エンジニア採用の実務を通じて見えてきた「内定者フォローが機能する組織・機能しない組織の違い」を解剖し、今日から実践できるフォロー施策を体系的に解説する。

このページでわかること:

  • エンジニアの内定後辞退が起きる構造的な原因

  • 内定承諾から入社日までの接点設計(タイムライン別)

  • 競合オファー・カウンターオファーへの先回り対応

  • 少人数人事でも実行可能な優先順位付き施策

  • 内定者フォローの効果測定と改善の回し方


TL;DR(要点まとめ)

  1. 内定承諾はゴールではなく中間地点。エンジニアの有効求人倍率は高止まりし、内定承諾後も複数の競合アプローチが続く

  2. 接点の「頻度」より「質」が重要。週1回の意味のないメール連絡より、月1回の技術的に価値ある1on1のほうが離脱防止効果が高い

  3. 入社前辞退の主因は「不安の放置」。技術スタック・チーム文化・役割定義の3つの不安を早期解消することが最優先

  4. 現場エンジニアの参加が辞退防止の切り札。人事だけのフォローには限界があり、配属先エンジニアとの非公式接点が最も効果的

  5. フォローの成果は数値化できる。内定承諾率・入社前辞退率・内定受諾日から入社日までの所要日数の3指標で管理する


1. なぜエンジニアは内定後に辞退するのか|構造的要因の解剖

エンジニアの内定後辞退率が高い理由は、単純に「気が変わった」ではない。採用支援の実務で複数の候補者とやりとりしてきた経験から、辞退の背景には明確な構造的パターンがある。

エンジニアの内定後辞退が起きる4つの構造的要因:

  1. 市場の需給ギャップ継続。厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年12月公表)によると、情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.59倍、新規求人倍率は4.0倍。内定承諾後も他社からのスカウトが止まらない市場環境が続いている

  2. 現職からのカウンターオファー。入社意向を告げた翌日に昇給・昇格・プロジェクト変更を提示されるケースは珍しくない。特にスキルが高い候補者ほどカウンターオファーの頻度が高い

  3. 入社後のギャップへの不安の膨張。内定承諾後に改めて社員のSNSや転職口コミサイトを見てネガティブ情報に触れ、自信が揺らぐ

  4. 内定者フォロー不在による心理的距離の拡大。「連絡が来ない=自分は重要視されていない」と感じ、入社意欲が冷める

辞退が起きるタイミングの分布

採用支援の経験から言えば、入社前辞退は「内定承諾直後」と「入社1〜2週間前」の2つの山がある。前者は感情的な揺り戻し期、後者は現実に直面した決意確認期だ。この2つの山を意識して施策を組み立てることが重要になる。


2. 内定者フォローの全体像|5つの目的と設計フレームワーク

内定者フォローを「なんとなく連絡を取り続ける」だと思っている人事は多い。しかし機能する内定者フォローには、明確な目的と設計が必要だ。

内定者フォローの5つの目的:

  1. 不安の早期発見と解消:入社に対する懸念を表面化させ、放置しない

  2. 入社意欲の維持・強化:「この会社に入って正解だった」という確信を深める接点を作る

  3. 競合オファーへの先回り対応:他社やカウンターオファーに揺らがない心理的基盤を作る

  4. チームへの帰属感の形成:入社前から「自分はここのチームの一員」という感覚を醸成する

  5. 入社後の期待値チューニング:過度な期待も過度な不安も解消し、現実的な期待値を持ってもらう

フォロー設計の基本フレームワーク

内定者フォローは「フェーズ」×「手段」×「担当者」の3軸で設計する。

フェーズ

目安期間

主な懸念

推奨施策

直後期

承諾後〜2週間

感情的揺り戻し

感謝連絡・入社ロードマップ共有

安定期

2週間〜1ヶ月前

日常的な維持

月次1on1・技術情報共有

前哨期

入社1ヶ月前〜2週間前

現実直面の不安

チーム顔合わせ・業務イメージ共有

直前期

入社2週間前〜入社日

細かい不安の蓄積

入社準備情報・初日プログラム共有


3. フェーズ別フォロー施策の実践設計

フェーズ1:内定承諾直後(承諾〜2週間)

この時期は感情的な揺り戻しが最も起きやすい。承諾後24時間以内に、人事または採用担当から「ありがとうございます」の連絡を入れることが最初のアクションだ。

やるべきこと(優先順位順):

  1. 24時間以内の感謝メッセージ送付:形式的にならず、「一緒に働けることを楽しみにしています」という個人的なトーンで

  2. 入社までのロードマップ(スケジュール)送付:入社日・入社前に必要な手続き・初日の流れを可視化する。不安を持つ候補者に「先が見えている」安心感を与える

  3. 採用担当の窓口明示:「何か疑問や不安があればいつでも連絡ください」と連絡先を明示する。連絡しやすい雰囲気を作ることで、内に秘めた不安を表出させる

やってはいけないこと:

  • 承諾書のサインだけを急かす(事務的な印象を与え、心理的距離が広がる)

  • 「次は入社日ですね」と連絡を終わりにする

  • 連絡手段をメールのみに限定する

フェーズ2:安定期(承諾2週間後〜入社1ヶ月前)

多くの企業がフォローを怠りやすいのがこの時期だ。「承諾してくれたから安心」という心理が働き、接点が減る。しかし候補者の心境は、日々の業務の中でじわじわと揺らいでいることがある。

月次1on1の設計(30〜45分):

  1. 最近の状況確認:現職での状況変化(昇進・プロジェクト変更・給与交渉)を自然に引き出す

  2. 技術的関心の深掘り:「入社後に取り組んでみたいことは変わりましたか?」と問い、技術的な期待値をすり合わせる

  3. チーム情報の提供:配属予定チームの近況・最近のプロジェクトの進捗を共有する

  4. 不安・疑問のオープン確認:「何か気になっていることはありますか?」と明示的に聞く場を作る

技術情報共有のアイデア:

  • 社内テックブログの最新記事を送る

  • チームが最近取り組んでいる技術課題を共有する

  • 入社前に読んでおくと役立つドキュメントや書籍を紹介する

フェーズ3:前哨期(入社1ヶ月前〜入社2週間前)

この時期は「本当にこの選択で良かったのか」と改めて考え始める候補者が多い。特に転職が初めての候補者、現職在籍期間が長い候補者は不安が強くなりやすい。

チーム顔合わせの設計(最も効果的な施策):

配属予定チームのエンジニアと非公式に会う機会を設ける。これが内定者フォローで最も離脱防止効果が高い施策だ。

採用コンサル営業時代に見てきた中で、チーム顔合わせを実施した候補者と実施しなかった候補者では、入社前辞退率に明確な差があった。特に「職場の雰囲気が想像できない」という不安は、実際に会ってみることでしか解消できない。

チーム顔合わせのポイント:

  1. 人事ではなく、配属先のエンジニアが主体になる

  2. 業務の話だけでなく、ランチやオンライン飲み会など非公式な場を設ける

  3. 候補者が質問しやすい空気を作る(「正直に何でも聞いてください」)

  4. エンジニアメンバーの「入社した理由・良かったこと」を自然に共有してもらう

フェーズ4:直前期(入社2週間前〜入社日)

入社準備に関する具体的な情報が最も求められる時期だ。細かい不安(初日に何を持っていくか・服装・誰に挨拶するか)を解消することで、「ちゃんと準備されている会社だ」という信頼感が生まれる。

直前フォローのチェックリスト:

  1. 入社書類の最終確認と不明点の解消

  2. 初日スケジュールの詳細共有(時間・場所・持ち物・ドレスコード)

  3. 入社後の研修・OJT計画の概要説明

  4. 利用ツール・開発環境の事前準備(PCの準備状況・セットアップ手順)

  5. 「楽しみにしています」という感情的な歓迎メッセージ


4. 競合オファーとカウンターオファーへの先回り対応

エンジニア採用において最も頭を悩ませる問題の一つが、内定承諾後の競合対応だ。承諾後も他社からのスカウトが止まらない市場環境では、先回り対応が不可欠になる。

カウンターオファー発生率の実態:

採用支援の実務を通じた経験から、エンジニア職種では内定承諾後にカウンターオファーを受けるケースが決して珍しくない。特に複数社の選考を並行している候補者や、社内で高い評価を受けているエンジニアほど、現職からの引き止めが発生しやすい傾向がある。厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年12月公表)が示すように、情報処理・通信技術者の新規求人倍率は4.0倍に達しており、人材市場の過熱がカウンターオファーの頻発を招いている背景がある。

カウンターオファーへの3段階先回り戦略

Step 1: 承諾時に「転職理由の深堀り」をしておく

内定承諾を得た時点で、「なぜ転職を決意したのか」を改めて丁寧に聞いておく。カウンターオファーへの免疫を作るためだ。「現職の環境が一時的に改善しても、根本的な○○(技術課題・マネジメント問題・キャリアの頭打ち)は変わらない」という自己認識を持ってもらうことが目的。

Step 2: 月次1on1で状況変化を早期察知する

「現職で何か変化はありましたか?」という質問を毎回の1on1に組み込む。急な昇給・昇格の話が出たら即座に対応する。カウンターオファーを受けてから対応するのではなく、その前段階で察知することが重要。

Step 3: 自社の「他社では得られない価値」を継続的に伝える

技術スタック・開発文化・キャリアパス・チームの質など、現職では代替できない具体的な価値を、毎回のフォロー接点で言語化して伝える。「年収を同じにされたら揺らぐかも」という状態から「年収以外の価値が高い」という状態に変える。

カウンターオファーへの対策をより詳しく知りたい場合は、エンジニア採用のカウンターオファー対策ガイドも参照してほしい。


5. 現場エンジニアを内定者フォローに巻き込む方法

人事だけが内定者フォローを担うのには限界がある。エンジニアの候補者が最も信頼するのは「同じエンジニア」からの言葉だ。現場エンジニアの協力を得ることで、フォローの質と効果は大きく変わる。

現場エンジニアに依頼できること(負担を最小化した形で):

  1. 技術的な質問への対応:「スタックの詳細を聞きたい」「コードレビュー文化について知りたい」等の技術的質問は、人事より現場エンジニアが答えるほうが信頼度が高い

  2. 月次の技術情報共有(任意):チームの取り組みや学んでいることをSlackやメールで共有してもらう

  3. 非公式な歓迎接点:「一緒に飯でも行きましょう」という一声が、長い説明文より内定者の心に刺さる

  4. 技術的な入社前準備のアドバイス:「入社前にこれを触っておくと良いです」という具体的なアドバイスは、入社後の適応を早めると同時に「チームに迎えてもらっている」感覚を作る

現場エンジニアの参加を設計する3つのポイント:

  1. 仕組み化して属人化しない:特定のエンジニアだけに負担がかかる設計にしない

  2. マネージャーが旗を振る:現場エンジニアへの協力依頼は、採用担当だけでなくエンジニアマネージャーが主体的に関与する

  3. フォロー期間の目安を明示する:「入社まで2ヶ月間、月1回だけお願いします」と具体的に伝えることで、協力しやすくなる


6. 少人数人事でも実行できる優先順位付きフォロー設計

スタートアップや採用担当が1人の会社では、すべての施策を実施するのは現実的でない。リソース制約がある中でも効果を最大化するために、優先順位を明確にした施策選定が必要だ。

Remote Meeting Illustration

優先度別フォロー施策(一人人事版):

優先度1:必ずやること(工数:低)

  1. 承諾翌日の感謝メッセージ(5分)

  2. 入社ロードマップの送付(初回のみ30分)

  3. 入社2週間前の直前フォロー連絡(15分)

優先度2:できればやること(工数:中)

  1. 月1回の1on1(30〜45分)

  2. 配属先エンジニアとの1回の非公式接点

  3. 入社1ヶ月前の不安ヒアリング

優先度3:余裕があればやること(工数:高)

  1. 入社前勉強会・ウェルカムランチ

  2. チームの技術情報の定期共有

  3. 社内Slackやシステムへの事前招待

テンプレート活用で工数を削減する

毎回一から文章を書くのではなく、フェーズ別のテンプレートを用意する。ただし、テンプレートをそのまま使うと機械的な印象になるため、候補者名と1〜2文の個別化を必ず行うこと。


7. 内定者フォローの効果測定と改善サイクル

内定者フォローは「やっているから大丈夫」ではなく、成果を数値で管理することで改善できる。

内定者フォロー3つのKPI:

  1. 入社前辞退率:内定承諾者数に対する入社前辞退者数の割合。業界平均と比較して改善を追う

  2. 内定承諾から入社日までの歩留まり率:フェーズ別(承諾直後・安定期・前哨期・直前期)の辞退発生タイミングを記録し、どのフェーズに問題があるかを特定する

  3. 内定者フォロー満足度スコア:入社後1ヶ月のオンボーディング面談で、「内定者フォロー期間のコミュニケーションに満足しましたか?」を5点満点で測定する

月次レビューで確認するポイント:

  • 今月の辞退者はいたか?辞退理由は何か?

  • フォロー施策の実施状況(実施漏れはないか?)

  • 入社した内定者から見た「フォローが良かった点・足りなかった点」のフィードバック

失敗パターンと対策

失敗パターン

原因

対策

承諾後すぐに連絡が途絶えた

「承諾したから大丈夫」という油断

承諾翌日の連絡をカレンダーに強制設定する

事務的な連絡しか送れていない

テンプレート依存

毎回1行の個別化コメントを必須にする

辞退の連絡が突然来た

不安のシグナルを見落とした

1on1で「最近どうですか?」を必ず聞く

現場エンジニアが関与できていない

依頼の仕組みがない

マネージャーへの月次確認を人事が担当


8. 内定者フォローのコミュニケーション設計

内定者へのコミュニケーション手段と頻度は、企業の状況と候補者の特性に合わせて設計する。

Morning Plans Illustration

コミュニケーション手段の選び方

メール:公式連絡・書類送付に適しているが、堅さを感じさせる。重要な情報共有はメールを使い、記録に残す。

Slack/ChatWork等のチャット:入社前から社内ツールに招待できる場合は積極的に活用する。心理的距離が縮まり、質問のハードルが下がる。ただし内定者のプライバシーに配慮し、強制ではなく任意参加にする。

電話/ビデオ通話:月次1on1はビデオ通話が望ましい。表情が見えることで、言葉にならない不安を察知しやすくなる。

対面(ランチ・チーム訪問):工数は高いが効果は最も高い。入社1〜2ヶ月前に1回設ける。

コミュニケーション頻度の目安

  • 承諾直後:1週間以内に1回

  • 安定期:月1回(1on1 or メール)

  • 前哨期:2週間に1回

  • 直前期:週1回

頻度が多すぎると「監視されている」感覚を与えるため注意が必要だ。特に候補者が「しっかりした人」であることが分かっている場合は、頻度よりも質を重視する。

候補者タイプ別フォロー調整

採用支援の実務を通じて、内定者には大きく3つのタイプがあると感じている。

タイプ1:情報を求めるタイプ 技術的なことや入社後の環境について具体的な情報を欲しがる。このタイプには、技術情報・チーム情報を積極的に提供することが効果的。

タイプ2:不安を抱えやすいタイプ 転職経験が少ない、または現職の環境が比較的良い候補者に多い。このタイプには、感情的なサポートと「一緒に働く人」との接点を作ることが有効。

タイプ3:独立的なタイプ 必要な情報さえもらえれば自分でマネジメントできる候補者。このタイプには過剰なフォローは逆効果で、必要な時に連絡できる体制だけを整えておけば十分。


9. 内定者コミュニティの設計(複数名同時入社の場合)

複数名が同じ時期に入社する場合、内定者同士のコミュニティを形成することで、フォローの効果が高まる。

内定者コミュニティのメリット:

  1. 内定者同士が情報交換・不安共有できる場が生まれる

  2. 「仲間がいる」感覚が入社意欲を強化する

  3. 企業側のフォロー工数が削減できる(グループ接点)

設計のポイント:

  • SlackチャンネルやLINEグループで繋ぐ

  • 入社前の交流会(オンライン可)を1回設ける

  • 強制的な参加は求めず任意参加にする

  • 内定者コミュニティに現場エンジニアもゲスト参加する機会を作る


FAQ(よくある質問)

Q. 内定者フォローはどこまで会社がやるべきですか?

A. 最低限は「承諾後の感謝連絡」「入社ロードマップの共有」「入社直前の最終確認」の3点。余裕があれば月次1on1と配属先エンジニアとの接点を加える。候補者が自走できるタイプかどうかを見極め、必要以上のフォローは控えることも大切だ。

Q. 内定者フォローに使えるツールはありますか?

A. 特別なツールは必要ない。SlackやGoogle Meet、メールで十分対応できる。大規模採用をしている企業ではオンボーディング専用ツール(Enboarder等)を使うケースもあるが、スタートアップには過剰投資になることが多い。まずはスプレッドシートで内定者ごとのフォロー状況を管理する形で十分。

Q. 入社前に社内Slackに招待するのは良いことですか?

A. 候補者が任意参加できる形であれば有効な施策。ただし強制にしてはいけない。また、招待するチャンネルは内定者向けの専用チャンネルと一般チャンネル(#random等)程度にとどめ、業務チャンネルへの参加は入社後にする。

Q. カウンターオファーを受けた候補者への対処法は?

A. まず「カウンターオファーを受けた」という事実を正直に話してくれたことへの感謝を伝える。そのうえで、「なぜ転職を決めたか」の原点に立ち返る対話をする。「年収を上げてもらっても、○○(根本的な課題)は変わらない」という自己認識を候補者自身に気づかせることが重要。

Q. 内定承諾期間はどのくらい設けるべきですか?

A. 中途採用の場合、一般的に2〜4週間が目安。期間が短すぎると候補者に焦りを与え、他社比較の機会を奪うことになる。長すぎると検討期間が伸びてしまう。候補者の状況(現職の引き継ぎ期間・他社の選考進捗)に合わせて柔軟に設定する。

Q. 少人数の人事でも内定者フォローを仕組み化できますか?

A. できる。フェーズ別のチェックリストとメールテンプレートを用意し、カレンダーにリマインダーを設定するだけで、工数を最小化しながら一定の品質を保てる。月1回30分の1on1を全員に実施することを最低ラインとして設定し、残りはテンプレート活用で対応する。

Q. 内定者フォロー期間中に候補者から突然辞退の連絡が来た場合、どうすればよいですか?

A. まず辞退の理由を丁寧に聞く。引き止めるかどうかは理由次第だが、無理な引き止めは逆効果。理由が「現職でのカウンターオファー」や「他社の魅力」であれば、一度立ち止まって再考を促す対話は有効。「感情的な揺り戻し」であれば、改めて入社後のキャリアパスや技術的挑戦を具体的に伝える機会にする。


まとめ:内定者フォローは「設計」で差がつく

エンジニアの内定後辞退は、偶発的なものではなく構造的な問題だ。市場の需給ギャップ・カウンターオファーの頻発・不安の放置——これらはいずれも設計で対策できる。

内定者フォローで最重要の3点を改めて整理する:

  1. 接点の継続:承諾後に連絡が途絶えないこと。月1回の1on1が最低ライン

  2. 現場エンジニアの参加:人事だけのフォローには限界がある。配属先エンジニアとの非公式接点を1回以上設ける

  3. 不安を聞く場の設計:「何か気になっていることは?」と明示的に聞く機会を作ることで、内に秘めた懸念を早期に発見できる

内定者フォローをしっかり設計することは、入社前辞退の防止だけでなく、入社後の「良いスタート」にも繋がる。「選考中は熱心だったのに内定後は急に雑になった」という印象は、早期離職リスクを高める。対して、「入社前から大切にしてもらった」という体験は、長期定着の基盤になる。

内定者フォローにお困りの場合や、採用全体の仕組み化を検討している方は、techcellarのスカウト運用代行・採用支援サービスもご参照いただきたい。エンジニア採用の設計から内定後フォローまで、実務ベースで支援している。


10. 内定者フォローの具体的なコミュニケーション文例

文面に迷う担当者のために、各フェーズで使えるコミュニケーション例を紹介する。あくまでベースとして、候補者ごとに個別化して使うこと。

内定承諾後の初回連絡(メール例)

〇〇さん

内定承諾のご連絡ありがとうございます。一緒に働けることを心から楽しみにしています。

入社まで約〇ヶ月ありますが、何か疑問や不安なことがあれば遠慮なく連絡ください。入社までのスケジュール感については、下記のとおりです。

・〇月〇日:入社書類の提出期限 ・〇月〇日:チームメンバーとの顔合わせ(任意) ・〇月〇日:入社日

次回は〇月頃にあらためてご連絡する予定ですが、何かあれば先にこちらから連絡いただいても大丈夫です。 よろしくお願いします。

このような形で「次に何が起きるか」を明示することが、候補者の不安を軽減する。

月次1on1の冒頭での確認例

「先月から何か状況の変化はありましたか?現職のほうで何かありましたか?」

「入社後にやりたいことについて、何か考えが変わったことはありますか?」

「何か気になっていること、不安なことはありますか?何でも話していただいて大丈夫です」

この3つの質問を毎回の冒頭で確認することで、候補者の状況変化を早期にキャッチできる。

チーム顔合わせの場での現場エンジニアへの依頼文例

〇〇さん(エンジニア)

来月〇日入社予定の△△さんに、1時間ほどお時間をいただけますか?技術スタックや開発環境について、実際に働いている方から話を聞きたいとのことです。オンラインで問題ありません。〇〇さんが最近取り組んでいる△△プロジェクトに関心があると言っていました。

採用として正式なお願いというより、「ちょっと話しましょう」という感じでぜひよろしくお願いします。


11. 入社後のフォロー継続と内定者フォローの引き継ぎ

内定者フォローは入社日で終わりではない。入社後のオンボーディングと連続していることを意識した設計が重要だ。

入社前〜入社後の引き継ぎポイント:

  1. フォロー担当者の明確化:入社前の担当(多くは採用担当人事)と入社後の担当(配属先マネージャー・バディ)を事前に明確にし、候補者に伝えておく

  2. 内定者フォロー期間中の情報引き継ぎ:候補者が話してくれた不安・懸念・期待を入社後のオンボーディング担当に共有する。「入社前に技術スタックのキャッチアップが不安と言っていた」という情報は、オンボーディング設計に活きる

  3. 入社直後の確認フォロー:入社1週間後・1ヶ月後に「入社前のイメージと実際のギャップはありましたか?」を確認する。内定者フォローの改善に繋がるフィードバックを得られる

内定者フォローと採用ブランディングの接続:

内定者フォローで良い体験を提供した候補者は、入社後の社員クチコミや採用リファラルに繋がることがある。採用コンサル営業時代の経験から言えば、「入社前から丁寧に扱われた」体験は、入社後の会社へのロイヤリティに強く影響する。

内定者フォローへの投資は単なる辞退防止コストではなく、採用ブランディングと定着率向上の複合的な効果を生む施策だ。入社後のオンボーディング設計についてはエンジニアのオンボーディング完全ガイドで詳しく解説している。


12. 内定者フォロー改善の年次サイクル設計

内定者フォローを継続的に改善するためには、年次のPDCAサイクルを設計する。

年次サイクルの回し方(4ステップ):

  1. 年初レビュー(Plan):昨年の内定者フォロー結果(辞退率・満足度スコア・入社後フィードバック)を振り返り、今年の改善方針を決める

  2. 施策実施と記録(Do):フォロー施策を実施しながら、各候補者の状況とフォロー内容をスプレッドシートに記録する

  3. 定期チェック(Check):四半期に1回、フォロー状況を人事チームでレビュー。辞退が発生した場合はその要因を詳細に分析する

  4. 改善点の反映(Act):翌クール以降のフォロー施策に改善点を組み込む。フォロー文章のブラッシュアップ・接点頻度の見直し・現場巻き込みの方法の改善など

内定者フォロー管理スプレッドシートの項目例:

候補者名

承諾日

入社予定日

最終フォロー日

次回フォロー予定

状況メモ

辞退リスク

〇〇さん

5/1

7/1

5/28

6/15

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岩佐 直樹techcellar 運営者

現役エンジニアでありながら、スタートアップのエンジニア採用支援を行う。採用コンサル営業として採用を売る側の経験と、エンジニアとして採用される側の経験を併せ持つ。13以上のダイレクトスカウトサービスの運用経験をもとに、AI×採用の実践ノウハウを発信。

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