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Tips エンジニア採用のヒント

公開: 2026/6/11

ネットワークエンジニア採用ガイド|要件定義から選考・口説き方まで

ネットワークエンジニア採用の要件定義・年収相場・スカウト・選考設計・口説き方を実務目線で解説

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ネットワークエンジニア採用の成否は、「設計・構築か運用・保守か」「オンプレかクラウドか」を曖昧にしない要件定義で決まる。クラウドシフトとゼロトラスト需要で設計層の奪い合いが激化するいま、運用出身者の成長余地まで含めて母集団を設計し、障害対応シナリオで実力を見極めることが現実解だ。本記事でその全手順を解説する。

このページでわかること

  • ネットワークエンジニアの職種定義と、インフラ・クラウド・SREとの違い

  • 採用が難しい構造的理由と2026年の市場動向

  • 「レイヤー×フェーズ」で設計する要件定義の手順

  • 年収相場と、相場より高く出すべきスキル領域

  • 候補者がいる場所と、返信されるスカウトの書き方

  • 構成図レビュー・障害対応シナリオを使った選考設計

  • 内定承諾率を高める口説き方と入社後の定着施策

TL;DR(要点まとめ)

  • ネットワークエンジニアは「通信の設計・構築・運用を担うインフラ職」。クラウド化で消えるどころか、クラウド接続・ゼロトラスト・SASE対応で役割が拡大している

  • doda「平均年収ランキング」によるとネットワークエンジニアの平均年収は449.3万円。ただし設計・構築×クラウド×セキュリティを担える層は600万〜900万円の競争レンジに入る

  • 要件定義は「フェーズ(設計か運用か)×環境(オンプレかクラウドか)×セキュリティ関与度」の3軸で設計する

  • 母集団は通信キャリア・SIer・SES・データセンター運用出身の「隣接層」まで広げるのが現実解。設計経験者だけを狙うと数年単位で決まらない

  • 選考の核心は構成図レビューと障害対応シナリオ。資格の有無だけでは実務力を見極められない

  • 口説きの軸は「運用から設計へ」「オンプレからクラウドへ」のキャリアアップ訴求と、夜間対応の実態を正直に開示する誠実さ


1. ネットワークエンジニアとは——仕事内容と職種の現在地

Local Server Illustration

ネットワークエンジニアとは、社内・データセンター・クラウドをつなぐ通信基盤の設計・構築・運用を担うエンジニア職だ。ルーター・スイッチ・ファイアウォールといった機器の構成設計から、回線手配、クラウドとの閉域接続、障害対応までを受け持ち、「つながって当たり前」を維持する役割を負う。

採用の文脈で重要なのは、同じ職種名でも業務フェーズによって市場価値も人物像も大きく異なる点だ。求人票で混同すると、ミスマッチが必ず起きる。

業務は3つのフェーズに分かれる

  1. 設計・構築: 要件定義、ネットワーク構成設計、機器選定、検証、導入。上流を担う層で、市場で最も奪い合いになっている

  2. 運用・保守: 監視、障害一次対応、設定変更、機器リプレース。経験者数は多いが、設計経験を積みたい転職動機を持つ人が多い

  3. クラウド・セキュリティ統合: AWS/Azure等のクラウドネットワーク設計、ゼロトラスト・SASE導入、IaCによる構成自動化。最も新しく、最も人材が薄い領域

インフラエンジニア・クラウドエンジニア・SREとの違い

職種

主担当領域

ネットワークの深さ

補足

ネットワークエンジニア

通信基盤(L1〜L4中心)

専門領域として深い

機器・回線・クラウド接続まで

インフラエンジニア

サーバー・OS・ミドルウェア含む基盤全般

広く浅く

ネットワーク専任とは分業されることが多い

クラウドエンジニア

クラウド環境の設計・構築

VPC設計など論理面中心

物理・回線レイヤーは弱いことが多い

SRE

サービス信頼性・自動化

必要に応じて

アプリ側に近い立ち位置

サーバーも含めた基盤全般の採用を考えているならSRE・インフラエンジニア採用の完全ガイドを、クラウド専任ならクラウドエンジニア採用ガイドを参照してほしい。本記事は「ネットワークを専門領域とする人材」の採用に絞って解説する。


2. なぜ採用が難しいのか——2026年市場の構造要因

ネットワークエンジニア採用の難しさは、需要の質が変わったのに供給構造が追いついていない点にある。オンプレ運用の経験者は一定数いる一方、企業が本当に欲しい「クラウドもセキュリティもわかる設計層」が極端に少ない。

経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年)によると、IT人材の不足規模は2030年に最大79万人と推計されている。インフラ系はその中でも高齢化が進む領域で、ベテランの引退と新技術需要の増加が同時に進行している。

スカウト運用を支援してきた経験から言うと、採用が難しい理由は次の3つに整理できる。

  1. 設計層とクラウド対応層の奪い合い: リモートワーク定着とクラウドシフトで、ゼロトラスト・SASE・クラウド閉域接続の案件が急増した。これらを設計できる人材は媒体上の検索条件に該当する数自体が少なく、大手SIerや通信キャリアが高待遇で囲い込んでいる

  2. 「ネットワークエンジニア=夜勤・運用」のイメージ: 監視オペレーターや夜間シフトの印象が強く、職種そのものを離れてクラウドエンジニアやSREへ転身する人が多い。母集団が構造的に痩せていく

  3. 技術の見極めが難しい: 履歴書に「CCNA保有・構築経験あり」と書かれていても、手順書通りの作業しかしていないのか、構成を自分で設計したのかは書面では判別できない。非エンジニアの人事だけでは選考精度が出ず、採用してから気づくミスマッチが起きやすい

逆に言えば、この3つに対応した採用設計——隣接層への母集団拡張、キャリアアップ訴求、実務ベースの選考——を組めば、知名度に劣る企業でも十分に勝ち筋がある。エンジニア採用市場全体の動向はエンジニア採用市場2026も参考にしてほしい。


3. 要件定義——「フェーズ×環境×セキュリティ」の3軸で設計する

ネットワークエンジニアの要件定義は、「フェーズ」「環境」「セキュリティ関与度」の3軸で設計するのが基本だ。全部入りの人材を求めると母集団がほぼゼロになるため、自社の課題に直結する軸から優先順位をつける。

要件定義の3軸

  1. フェーズ(設計・構築か、運用・保守か): 新規構築や刷新が控えているなら設計経験者が必須。安定運用と小規模な変更が中心なら、運用出身で設計に挑戦したい層が狙い目になる

  2. 環境(オンプレ中心か、クラウド込みか): 拠点間ネットワークや工場・店舗インフラならオンプレ・回線の知識が核になる。クラウド移行が進む環境なら、VPC設計・Direct Connect/ExpressRoute等の閉域接続・DNS設計の経験を要件に含める

  3. セキュリティ関与度: ファイアウォール運用レベルでよいのか、ゼロトラスト・SASE導入を主導してほしいのかで要件が大きく変わる。後者は希少人材なので、専任のセキュリティエンジニア採用と分けて考えるのも手だ

レベル別のスキル基準

レベル

目安

期待される動き

ジュニア

経験1〜3年

監視・障害一次対応、手順書ベースの設定変更、検証補助

ミドル

経験3〜7年

中規模構成の設計・構築を単独で完結、障害の根本原因分析、ベンダー折衝

シニア

経験7年〜

全社ネットワークのグランドデザイン、クラウド移行・ゼロトラスト導入の主導、標準化と育成

資格は「足切り」ではなく「会話の入口」として使う

CCNA・CCNP・ネットワークスペシャリスト等の資格は知識の証明にはなるが、設計力の証明にはならない。採用支援の現場では、資格なしでも大規模環境の障害対応を回してきた実力者を多く見てきた。資格を必須要件にすると、こうした層を母集団から外してしまう。「CCNP相当の知識」のように歓迎要件に置き、実力は選考で確かめるのが妥当だ。


4. 年収相場と報酬設計

ネットワークエンジニアの報酬設計は、「平均年収の安さ」に引きずられないことが重要だ。平均値は運用・保守層を多く含むため低めに出るが、企業が欲しい設計・クラウド対応層の獲得競争レンジははるかに高い。

doda「平均年収ランキング」によると、ネットワークエンジニアの平均年収は449.3万円で、IT/通信系エンジニア職種の中では低めの水準にある。一方で同ランキングの上位にはプロジェクトマネジャーやセキュリティ系職種が並んでおり、ネットワーク出身者がスキルを広げるほど年収が上がる構造が読み取れる。

採用支援の実務で見てきた相場観を整理すると、次のようになる。

  1. 運用・保守中心(ジュニア〜ミドル): 350万〜500万円。母集団は比較的厚く、ポテンシャル採用も成立する

  2. 設計・構築(ミドル〜シニア): 500万〜750万円。大手SIer・通信キャリアとの競合レンジに入る

  3. クラウドネットワーク・ゼロトラスト対応(シニア): 650万〜900万円超。希少層であり、相場より一段高い提示か、それに代わる強い訴求(裁量・モダン環境・リモート)が必要

報酬テーブルの全体設計はエンジニア年収相場2026で職種横断のデータを整理しているので併せて確認してほしい。

なお、夜間・休日のオンコールや障害対応を求めるなら、手当の有無と金額は採用競争力に直結する。「オンコール手当なし」は、候補者から見ると年収の額面以上のマイナスとして評価される。


5. 候補者の探し方とスカウト戦略

Web Search Illustration

ネットワークエンジニアの母集団形成は、「いまネットワークエンジニアを名乗っている人」の外側まで広げられるかが勝負だ。設計経験者だけを検索条件にすると、対象者が少なすぎてスカウトを送り切れない。

狙うべき4つの隣接層

  1. 通信キャリア・キャリア系子会社出身: 大規模網の運用・構築経験者。事業会社の裁量の大きさが刺さりやすい

  2. SIer・NIer(ネットワークインテグレーター)出身: 案件単位で設計・構築を経験している層。「自社のインフラを長期で育てたい」動機を持つ人が多い

  3. SES・データセンター運用出身: 運用経験は豊富だが設計機会に飢えている層。育成前提なら最も厚い母集団。見極めのポイントはSES出身エンジニアの採用と見極め方に詳しい

  4. 社内SE・情シスでインフラを兼任している層: 兼任から専任へ、専門性を深めたい動機で動く

スカウト文面で外してはいけない3点

  1. 環境の具体性: 拠点数・ユーザー数・主要機器ベンダー・クラウド利用状況を数字で書く。ネットワークエンジニアは構成規模で仕事の面白さを判断する

  2. 任せたいフェーズの明示: 「設計から任せる」のか「まず運用から」なのかを曖昧にしない。設計志向の候補者は、ここが不明瞭なスカウトには返信しない

  3. 夜間対応の実態: オンコール体制・頻度・手当を正直に書く。隠すと面談や入社後に必ず露見し、辞退・早期離職につながる

媒体選定の考え方

ネットワークエンジニアはWeb系エンジニアと生息域が異なる。GitHubやテックブログでの発信が少なく、Web系特化媒体では検索しても出てこないことが多い。

採用支援で媒体を運用してきた経験から、使い分けの目安は次の通りだ。

  1. BizReach・doda系の総合ダイレクト媒体: インフラ・ネットワーク職の登録が比較的厚い。職務経歴書ベースで構成規模・フェーズを読み取れるため、本記事の要件定義と相性がよい

  2. Web系特化媒体(Forkwell・Findy等): クラウド・SRE志向の層には届くが、オンプレ中心のネットワーク専任者は薄い。クラウド統合人材を狙う場合のサブチャネルと位置づける

  3. 人材紹介エージェント: インフラ領域に強いエージェントは、転職市場に出る前の運用層・SES所属層を持っていることがある。希少な設計層は紹介経由の比率が高い

媒体ごとの特性比較はエンジニア採用媒体の選び方で詳しく解説している。文面の組み立て方はエンジニア向けスカウトメールの書き方で例文付きで解説している。


6. 選考設計——構成図レビューと障害対応シナリオで見極める

Server Failure Illustration

ネットワークエンジニアの選考は、コーディングテストが使えないぶん、実務に近い題材を面接に組み込めるかが精度を分ける。資格と経歴の確認だけで通すと、「手順書の外に出られない人」を見抜けない。

採用支援で選考設計に関わってきた経験から、有効だった手法を3つ挙げる。

  1. 構成図レビュー: 自社の(簡略化した)ネットワーク構成図を見せ、「気になる点・改善したい点」を挙げてもらう。冗長化の穴、セキュリティ境界、運用負荷への着眼で設計力の深さがわかる

  2. 障害対応シナリオ: 「ある拠点から特定のSaaSだけ繋がらない」のような曖昧な障害票を提示し、切り分けの進め方を口頭で再現してもらう。レイヤーを順に潰す思考ができるか、推測と確認を区別できるかを見る

  3. 過去案件の深掘り: 「その構成にした理由」「他に検討した案」「障害で一番苦労した経験」を聞く。自分で設計した人は設計判断の理由を語れるが、作業担当だった人は答えに詰まる

面接での評価観点

  • 説明の明瞭さ: 非エンジニアの面接官にも仕組みを噛み砕いて説明できるか(社内調整力に直結する)

  • ドキュメント習慣: 構成図・手順書を自分で書いて整備してきたか

  • 自動化への姿勢: Python等での作業自動化やIaCへの関心。今後のネットワーク運用は自動化前提に向かうため、学習意欲の差が数年後の戦力差になる

面接質問の例

  • 「前職のネットワーク構成を、ホワイトボードに描きながら説明してください」——全体像を構造化して説明できるかを見る。描けない場合、担当範囲が局所的だった可能性が高い

  • 「冗長化していたのに障害が起きた経験はありますか?原因は何でしたか」——冗長設計の限界を実体験として理解しているかを見る

  • 「設定変更で失敗した経験と、その後の再発防止策を教えてください」——変更管理への姿勢と学習能力を見る

  • 「いまの構成を自由に作り直せるなら、何から変えますか」——理想像を持っているか、コストと効果のバランス感覚があるかを見る

技術面接全体の設計はエンジニア面接の技術力評価ガイドも参考になる。


7. 求人票(JD)の書き方

ネットワークエンジニア向けの求人票は、「環境のスペック」と「働き方の実態」を具体的に書くほど応募の質が上がる。抽象的な「自社インフラの企画・運用」だけでは、経験者は自分に合う案件か判断できず素通りする。

必ず書くべき項目は次の5つだ。

  1. ネットワーク環境の規模: 拠点数、ユーザー数、データセンター/クラウドの構成、主要ベンダー(Cisco・Juniper・Fortinet・Yamaha等)

  2. 任せたいフェーズと直近のプロジェクト: 「来期にWAN刷新」「ゼロトラスト導入の構想段階」など、入社後に何をするかが見えるように書く

  3. オンコール・夜間対応の有無と頻度: 当番制か、月何回程度か、手当はいくらか。ネガティブ情報こそ明記が信頼につながる

  4. チーム体制: 専任か兼任か、ベンダー委託の範囲、レビューしてくれる先輩の有無

  5. キャリアパス: 設計専任・クラウドアーキテクト・セキュリティ・マネジメントなど、次の選択肢

リモートワークの扱いも重要だ。機器作業で出社が必要な日があるのは候補者も理解しているので、「リモート中心・機器作業時のみ出社(月◯回程度)」のように実態ベースで書くとよい。基本の型は求人票(JD)の書き方完全ガイドを参照してほしい。


8. 口説き方とクロージング

ネットワークエンジニアのクロージングは、年収提示だけで競うと大手SIer・通信キャリアに勝てない。「いまの職場では積めない経験」をどれだけ具体的に提示できるかが承諾率を左右する。

訴求の軸は次の3つだ。

  1. キャリアアップの機会: 「運用から設計へ」「オンプレからクラウドへ」「作業者から意思決定者へ」。エンジニアとして転職活動をした際にも感じたが、いま積めていない経験を具体的な計画として提示されると入社理由になる。「来期のWAN刷新をあなたに設計から任せたい」のように案件名で語る

  2. 働き方の改善: 夜勤シフトからの解放、リモート中心の働き方、ベンダー任せにせず裁量を持てる環境。前職の不満の裏返しが最強の訴求になるため、カジュアル面談で転職理由を丁寧に聞く

  3. 技術モダン化への投資: IaC・自動化・SASEなど新技術に触れられること。学習支援や検証機材・クラウド検証環境の予算があるなら明示する

オファー面談では、オンコールの実態・繁忙期・出社頻度を改めて自分から開示する。この職種は「聞いていた話と違う」が早期離職の最大要因であり、誠実な開示自体が他社との差別化になる。進め方の詳細はオファークロージング実務設計ガイドにまとめている。


9. 入社後のオンボーディングと定着

ネットワークエンジニアの立ち上がりは、構成情報とアカウント権限をどれだけ早く渡せるかで決まる。構成図が古い・設定が属人化している状態で放置すると、優秀な人ほど「この環境はまずい」と感じて離脱する。

  • 最初の30日: 構成図・機器一覧・運用手順の読み込み、監視ツールの権限付与、主要ベンダー・回線事業者との顔合わせ

  • 31〜60日: 障害対応への同席から一次対応の担当へ、小規模な設定変更の実施、構成ドキュメントの更新(理解の確認を兼ねる)

  • 61〜90日: 改善提案の実行(監視改善・冗長化の穴埋め・自動化の小さな一歩)、次期プロジェクトの設計参加

定着の鍵は「運用に埋もれさせない」ことだ。障害対応と定常作業だけが続くと、設計やクラウドを志向する人材は確実に転職市場へ戻っていく。四半期ごとに改善・設計系のテーマを必ず持たせ、評価にも反映する仕組みを作っておきたい。


10. 採用開始から内定までの90日ロードマップ

ネットワークエンジニア採用は、母集団が小さいぶん「走りながら直す」前提でスケジュールを組むのが現実的だ。完璧な準備を待つより、最初の2週間で要件と求人票を固めてスカウトを開始し、市場の反応を見て調整する方が早く決まる。

  1. Day 1〜14(準備): 要件定義の3軸を確定し、必須/歓迎要件を仕分ける。求人票・スカウト文面を作成し、構成図レビュー・障害対応シナリオの選考課題を準備する

  2. Day 15〜45(母集団形成): 主力媒体でスカウト送信を開始。週次で返信率を確認し、文面・検索条件を改善する。返信率が伸びない場合は、隣接層への対象拡大と訴求の見直しを先に行う

  3. Day 46〜75(選考): カジュアル面談→技術面接→最終面接を2〜3週間で完走できる体制を組む。希少職種ほど選考スピードが承諾率に直結するため、面接官の日程は先に押さえておく

  4. Day 76〜90(クロージング): オファー面談で報酬・オンコール実態・入社後の案件を具体的に提示する。検討期間中も週1回の接点を保ち、現場エンジニアとの会食や追加質問の場を設ける

90日で内定まで到達しない場合、ボトルネックは「返信率(訴求の問題)」か「母集団の絶対数(要件の問題)」のどちらかにある。データを見て切り分け、要件か訴求のどちらを直すかを判断しよう。


FAQ(よくある質問)

Q1. ネットワークエンジニアとインフラエンジニアはどう違いますか?

インフラエンジニアはサーバー・OS・ミドルウェアを含む基盤全般を担う広い呼称で、ネットワークエンジニアは通信領域を専門に深く担う職種です。小規模組織では兼任が一般的ですが、求人票ではどちらの比重が大きいかを明示しないとミスマッチの原因になります。

Q2. クラウド化が進むとネットワークエンジニアは不要になりませんか?

不要にはなりません。クラウド化によって物理機器の運用は減りますが、クラウド接続設計・VPC/VNet設計・ゼロトラストやSASEへの移行など、より上流のネットワーク設計需要はむしろ増えています。「オンプレ専任」から「クラウドを含むネットワーク全体の設計者」へ役割が拡大していると捉えるのが正確です。

Q3. CCNAやネットワークスペシャリストの資格は必須要件にすべきですか?

必須要件にはせず、歓迎要件に置くことを推奨します。資格は知識の証明にはなりますが設計力の証明にはならず、資格なしの実力者を母集団から外すデメリットの方が大きいためです。実力は構成図レビューや障害対応シナリオなど選考側で確かめます。

Q4. ネットワークエンジニアの年収相場はいくらですか?

doda「平均年収ランキング」では平均449.3万円ですが、これは運用・保守層を含む平均値です。設計・構築層は500万〜750万円、クラウドネットワークやゼロトラスト対応ができる層は650万〜900万円超が実際の競争レンジになります。

Q5. 未経験・運用経験のみの候補者を採用しても戦力になりますか?

設計経験者の指導役がいるなら有効です。運用出身者は障害対応と環境理解の基礎があり、設計に挑戦したい転職動機を持つ人が多いため、育成前提なら最も厚い母集団です。逆に社内に教えられる人がいない状態での「1人目」採用は、ミドル以上の設計経験者に絞るべきです。

Q6. 夜間対応があると採用は不利になりますか?

体制と手当次第です。当番制で頻度が明確、手当が支払われ、翌日の勤務調整がある——という設計なら、経験者は織り込み済みで応募します。不利になるのは実態を曖昧にした場合で、選考後半や入社後に発覚すると辞退・早期離職に直結します。求人票の段階で正直に書くことが結果的に採用力を高めます。


まとめ:ネットワークエンジニア採用は「フェーズの解像度」で決まる

ネットワークエンジニアは、クラウド時代にむしろ役割が広がっている基盤人材だ。最後に要点を振り返る。

  1. 要件定義は「フェーズ×環境×セキュリティ」の3軸で設計し、全部入り人材を求めない

  2. 母集団は通信キャリア・SIer・SES・情シス兼任の隣接層まで広げ、育成前提の採用も選択肢に入れる

  3. 選考は構成図レビューと障害対応シナリオを核に、資格ではなく実務力で見極める

  4. 報酬は平均年収(449.3万円)ではなく狙う層の競争レンジ(設計層500万〜、クラウド対応層650万〜)で設計する

  5. 口説きは「いま積めない経験」のキャリア訴求と、オンコール実態の誠実な開示で差別化する

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岩佐 直樹techcellar 運営者

現役エンジニアでありながら、スタートアップのエンジニア採用支援を行う。採用コンサル営業として採用を売る側の経験と、エンジニアとして採用される側の経験を併せ持つ。13以上のダイレクトスカウトサービスの運用経験をもとに、AI×採用の実践ノウハウを発信。

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